「発達に特性のある子の学習サポート」第2回「宿題、どうしたらいい?」

のびーくのアズマです。

「のびのび育む」を広げることを目指し、個別指導教室(まなび舎のびーく)フリースクールを運営するのびーくの実践を、ブログでご紹介していきます。

今回は、学習サポートに関するテーマで、10回シリーズでお届けしています。

家庭学習、親子バトルになっていませんか?
「ますます勉強ぎらいに…」の負のサイクルを、「できた!わかった!」で自信をつける、プラスのサイクルにしていきましょう!

11月に開催された、講演会「発達に特性のある子の学習をどうサポートするか」(練馬区学校教育支援センター主催)で、参加者から寄せられた質問への回答をまとめ、お伝えしていきます。

シリーズ10回のテーマはこちら。

「やる気スイッチ」どういれる?
②宿題になかなか手をつけられません。どうしたらいい?
③漢字を使いたがりません。書けるかどうか、どう確認すればいい
④得意な科目ばかりやりたがります。どうしたら苦手科目をやる?
⑤会話をするとき、話題がずれます。どう対応したらいい?学校で友達とのコミュニケーションは?
⑥比較されることをいやがります。集団の場ではどう過ごせばいい?親ができるフォローは?
⑦中学での勉強やテスト、高校進学など不安です。今からできることは?
⑧それでも苦手を克服したいです。どうしたらいい?
⑨検査を勧められました。いろいろ受けるべき?
⑩どこまで手伝う?いつまで手伝う?本人がらくになる生き方は?

 

今回は、「宿題になかなか手をつけられません。どうしたらいい?」 です。

学習に関するお悩みとしてよくあがるのが宿題のこと。
「やるべきこと(=宿題)をやらない」「先にやればよいのに、あとまわしにする」「宿題のために早起きしてるのに、なかなか手をつけず時間がもったいない」
などなど。

まず考えたいのが、宿題は本当に「やるべきこと」なのか、ということです。
宿題は、「絶対的優先順位第1位」のことなのでしょうか。

学級集団に一律で課される宿題は、「標準的」なものであらざるを得ません。
例えば「計算ドリル」は、「簡単すぎて意味がない」という子もいれば、「難しすぎて手がつけられない」という子もいるでしょう。
「漢字ドリル」は、「すでに覚えた漢字をひたすら書く」ことになっている子もいれば、書くことが苦手で、「必死で欄を埋めるけど覚えることにはつながらない」苦行のようになっていることもあるでしょう。

こんなことで時間を奪われ、消耗して、勉強嫌いにさせてしまってよいのでしょうか。
やるべきなのは、やりたいのは、もっと身になる、本人のためになる学習ではないでしょうか。

宿題に手がつかない場合は、「どうしたらやってくれるか」「どうしたらやらせられるか」ではなく、
どんな学習だったら取り組めそうか」をぜひ、考えてみてほしいと思います。そして先生に、宿題が負担になっている状況を伝え、「代わりにこういう風に取り組みたいのですが」と相談してみるとよいと思います。

例えばのびーくでは、「簡単すぎてやる気になれない」場合は、問題を解くのではなく、「解説する」ことを課題としたり、「難しすぎる」場合は、計算の数字を取り扱いやすい数に限定するなどしています。

自分に合っていない宿題に、取り組むにしても取り組めないにしても、心的負担を積み上げ、意欲喪失していくのは、成長期の子どもたちにとって、本当にもったいないことだと思います。

 

「でも、みんなやっているのに」と、まだすっきりしないでしょうか。

でも、「発達の特性」は治るものではないですし、治すべきものでもありません。
特性のある子をサポートしていく上では、本人をどうにかするということ以上に、「環境を整える」ということが重要になってきます。

これについては、また別のテーマの中でお伝えしたいと思いますが、
「宿題を自分のあったものに調整する」ということは、その一歩となる大事なことだと考えます。
ぜひ、そのように進めてほしいと思います。

 

 

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